チュートリアル
llms.txt 入門:AI に自社サイトを理解させる

llms.txt は、サイトのルートに置く Markdown 形式のテキストファイルで、AI モデルが自社サイトを理解する助けになります。書式、設置手順、検証方法、そして llms-full.txt までを解説します。
llms.txt は、Web サイトのルートディレクトリに置くテキストファイルです。Markdown を使ってサイトの短い概要と重要なページへのリンクをまとめ、大規模言語モデルがサイトを素早く理解できるようにします。本ガイドでは、書式、記入例、そして結果の検証方法を順に説明します。
llms.txt とは
llms.txt は、コミュニティから提案されている標準です。サイトのルートにテキストファイルを置き、最も重要なコンテンツを Markdown で整理して、大規模言語モデルが読むことを前提に記述します。想定読者は人間や従来の検索エンジンではなく、ChatGPT、Claude、Perplexity といった AI ツールの背後にあるモデルです。
一般的な Web ページは、ナビゲーションメニュー、広告、スクリプトが入り混じっています。モデルは中身を抽出する前に、それらをすべて取り除かなければなりません。llms.txt は、リンクつきの整理された概要をそのまま渡すもので、いわば AI 向けに用意した読解の手引きです。
ただし注意点があります。llms.txt はまだ提案段階であり、主要な AI 企業が読み取りを正式に約束しているわけではありません。とはいえ、作成コストはごくわずかで、一度書けば効き続けます。早めに設置しておいて損はありません。
robots.txt、sitemap.xml、llms.txt の役割分担
この 3 つのファイルは競合するものではなく、互いを補い合います。それぞれ一言でまとめると、次のとおりです。
- robots.txt は権限を管理します。どのパスを取得してよいか、してはいけないかをクローラーに伝えます
- sitemap.xml は目録を管理します。ページの URL を検索エンジンに向けて一覧化します
- llms.txt は理解を管理します。サイトが何をしているのか、どのコンテンツが最も重要なのかを言語モデルに伝えます
GPTBot(OpenAI)、ClaudeBot(Anthropic)、PerplexityBot といった AI クローラーは、取得前に必ず robots.txt を確認します。そのため、llms.txt をきちんと書いていても、robots.txt がこれらのユーザーエージェントをブロックしていないか確認してください。ブロックしていれば、モデルはそもそも自社サイトにたどり着けません。
ファイル書式を部分ごとに見る
llms.txt は通常の Markdown で、次の 4 つの部分から構成されます。
- H1 見出し:サイト名または会社名。仕様が必須としている要素はこれだけです
- 導入文:その直後に置く引用ブロック(> で始まる行)で、サイトが何であり、誰に向けたものかを 2〜3 文で説明します
- セクション別のリンク一覧:セクションごとに H2 見出しを設け、各リンクは次の形式で記述します:
- [Page title](URL): one-line description - Optional セクション:「Optional」という名前そのままの H2 は予約キーワードで、コンテキストに余裕がないときにモデルが読み飛ばしてよい副次的なコンテンツを置きます
リンク先は、既存の Web ページをそのまま指定すれば十分です。それらのページの Markdown 版を別途用意している場合は、モデルがより正確に解析できるため、そちらにリンクしてください。
記入例:手順を追って書いてみる
香港で業務用厨房機器を扱う「サンプル厨房機器株式会社」を運営しており、業務用冷蔵庫やレンジを販売し、設置・修理サービスも提供しているとします。その llms.txt を 5 つの手順で書いていきます。
手順 1、H1 と導入文を書きます。実際の会社名を使い、事業内容、取り扱い製品、サービス提供地域を率直に記述します。
手順 2、重要なページを選びます。サイト全体を詰め込む必要はありません。顧客の疑問に答えるページ、つまり製品カテゴリー、サービス説明、よくある質問だけを選んでください。
手順 3、リンクをセクションごとに並べ、それぞれに 1 行の説明を添えます。手順 4、会社の沿革のような副次的なコンテンツは Optional セクションに移します。手順 5、ファイルを UTF-8 エンコードのテキストとして、llms.txt という名前で保存します。
完成したファイルは次のようになります(example.com は実際のドメインの代わりです)。
# サンプル厨房機器株式会社
> サンプル厨房機器株式会社は、香港の業務用厨房機器
> サプライヤーです。業務用冷蔵庫、レンジ、食器洗浄機の
> 販売、設置、修理を、香港島、九龍、新界の全域で
> 提供しています。
## 製品
- [業務用冷蔵設備](https://www.example.com/products/refrigeration):縦型冷蔵庫とコールドテーブルの仕様と選び方
- [加熱調理機器](https://www.example.com/products/cooking):中華レンジ、西洋式オーブン、グリドル
## サービス
- [設置と修理](https://www.example.com/services):現地での設置手順、保守プラン、料金
## よくある質問
- [FAQ](https://www.example.com/faq):配送時期、保証条件、支払い方法
## Optional
- [会社概要](https://www.example.com/about):会社の沿革とチーム紹介設置場所、検証、そして llms-full.txt という派生形
ファイルはサイトのルートに置く必要があります。つまり、yourdomain.com/llms.txt で直接開ける状態です。サブドメインはそれぞれ独立しているため、ブログのサブドメインには専用のファイルが必要です。
検証は 3 つの手順で行います。
- ブラウザで URL を開き、正しく読み込まれること、テキストとして表示されること、文字化けがないことを確認します
- ファイル内のすべてのリンクをクリックして、リンク切れがないことを確認します
- 内容をすべてコピーして任意の AI チャットツールに貼り付け、自社サイトを要約してもらい、その理解が正確かどうかを確かめます
llms-full.txt は上級者向けの派生形です。リンクを並べる代わりに、重要なページの本文をまとめて 1 つの大きなファイルに統合するため、モデルはページを 1 つずつ取得しなくても全体を読めます。ドキュメントサイトやコンテンツ量の多いサイトに向いていますが、その分ファイルが大きくなり、コンテンツを変更するたびに再生成する必要があります。2 つのファイルは併用できます。llms.txt は読解の手引き、llms-full.txt は本文そのものという位置づけです。
よくある質問
llms.txt とは何ですか?
llms.txt は、Web サイトのルートディレクトリに置くテキストファイルで、厳選したリンク一覧を通じて、サイトの重要なコンテンツを大規模言語モデルに紹介するものです。
llms.txt は robots.txt や sitemap.xml の代わりになりますか?
いいえ。robots.txt は権限を管理し、sitemap.xml はページの目録を管理し、llms.txt は理解を管理します。3 つは互いを補い合う関係です。
llms.txt と llms-full.txt の違いは何ですか?
llms.txt はリンクと短い説明だけを並べます。llms-full.txt は重要なページの本文を 1 つのファイルに統合するため、モデルは各ページを個別に取得する必要がありません。
AI は必ず llms.txt を読んでくれますか?
保証はありません。現時点では公式な標準ではなくコミュニティの提案ですが、作成コストはほとんどかからないため、早めに設置しておいて損はありません。
llms.txt はどのくらいの頻度で更新すべきですか?
重要なページを追加したときや事業内容が変わったときに更新し、ファイル内のすべてのリンクが有効なままであることを確認してください。
自社サイトの AI 可視性を確認する
よくできた llms.txt を書くことは、AI 可視性を高めるための一歩ですが、あくまで一歩にすぎません。構造化データが不完全であるとか、AI クローラーがブロックされているといった、AI 検索から見た自社サイトの他の不足点を知りたい場合は、UDomain の無料ツール AEO Auditor(ai.ud.hk/aeo-auditor)にかけてみてください。ここでの AEO は Answer Engine Optimization(回答エンジン最適化)、つまり AI の回答エンジンに引用されやすいコンテンツにする取り組みを意味します。同じ略語を持つ税関の Authorized Economic Operator(認定事業者)制度とは関係ありません。URL を入力してレポートを受け取り、チェックリストを 1 項目ずつ片付けていきましょう。

