チュートリアル

AI に正確に引用されるための構造化データ入門

2026年9月22日
AI に正確に引用されるための構造化データ入門
ひと言で言うと

JSON-LD を使って、自社サイトの事実を AI 検索に宣言する方法。香港の中小企業がまず追加すべき 4 つのスキーマタイプを、サンプルコードと検証手順つきで解説します。

構造化データとは、ページのソースコードに書き込む、機械が読み取れる事実の宣言です。AI 検索エンジンはこれをもとに、会社名、サービス内容、Q&A の内容を確認します。だからこそ、AI が自社サイトを引用するときの正確さが保たれます。本ガイドでは、最も価値の高い 4 つのタイプを JSON-LD で実装する方法を説明します。

JSON-LD とは

JSON-LD は、JSON 形式のスニペットとして Web ページに埋め込む構造化データです。ページ内容の種類とプロパティを、検索エンジンや AI システムに宣言します。Google が推奨する形式で、ページに追加するのは <script> ブロック 1 つだけです。訪問者に見える部分は何も変わりません。

最小限の例を示します。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "サンプル貿易株式会社",
  "url": "https://www.example.com"
}
</script>

このコードは、このページが「サンプル貿易株式会社」という名前の組織を表し、公式サイトが example.com であることを示しています。語彙は schema.org のもので、主要な検索エンジンが共同で管理している公開標準です。

AI 検索における役割:機械が読める事実

構造化データは、ページ上の人間向けの内容を、機械が解析できる事実の宣言に変換します。従来の検索エンジンは、これをリッチリザルトの生成に利用します。AI 検索では、事実が明確に宣言されていることで、モデルが内容を読み違えたり、別の会社の情報として扱ってしまう可能性を減らせます。

FAQPage を例に考えてみます。質問と回答が明示的なデータ項目としてマークアップされていれば、AI エンジンがそれを抽出したり引用したりする際に、どの文が質問でどの文が回答なのかを推測する必要がありません。会社名、製品価格、ページの階層も、同じように宣言できます。

ただし注意点があります。構造化データは順位を上げる近道ではありません。その価値は正確さ、つまり機械が読み取る内容と自社が伝えたい内容を一致させることにあります。

香港の中小企業がまず追加すべき 4 つのタイプ

Organization:自社が何者かを宣言する

これはトップページに設置し、会社名、Web サイト、ロゴ、公式ソーシャルアカウントを宣言します。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "サンプル貿易株式会社",
  "url": "https://www.example.com",
  "logo": "https://www.example.com/logo.png",
  "sameAs": ["https://www.linkedin.com/company/example"]
}

よくある間違いは、ページごとに異なる会社名を宣言してしまうこと、そしてロゴに相対パスを指定してしまうことです。名称は登記上の社名やソーシャルアカウントと完全に一致させ、URL は必ず https から始まる完全な形で記述してください。

FAQPage:Q&A をそのまま抽出できるようにする

これは質問と回答を含むページに設置し、質問 1 件ごとに Question オブジェクトを 1 つ用意します。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "FAQPage",
  "mainEntity": [{
    "@type": "Question",
    "name": "どのようなサービスを提供していますか?",
    "acceptedAnswer": {
      "@type": "Answer",
      "text": "Web ホスティングとドメイン登録のサービスを提供しており、オフィスは香港にあります。"
    }
  }]
}

よくある間違いは、JSON-LD の中には Q&A があるのに、実際のページ上にはどこにも表示されていないケースです。Google は、マークアップの内容が訪問者に見える内容と一致していることを明確に要求しています。コードの中にしか存在しないマークアップは、ガイドライン違反とみなされます。

Product または Service:何を売っているかを明確に示す

商品ページでは Product に Offer を組み合わせて使います。サービス業であれば、代わりに Service を使えます。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Product",
  "name": "法人向け Web ホスティングプラン",
  "description": "中小企業向けの Web ホスティング。毎日のバックアップつき。",
  "offers": {
    "@type": "Offer",
    "price": "0",
    "priceCurrency": "HKD"
  }
}

価格が 0 の場合は無料を意味します。有料プランでは実際の価格を入力してください。よくある間違いは、priceCurrency を省略してしまうこと、そして片方だけを更新した結果、マークアップ上の価格とページに表示されている価格がずれてしまうことです。

BreadcrumbList:ページの位置を宣言する

これは、そのページがサイトのどの階層に属するのかを機械に伝えるもので、AI や検索エンジンがサイト構造を理解しやすくなります。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "BreadcrumbList",
  "itemListElement": [
    {"@type": "ListItem", "position": 1, "name": "ホーム", "item": "https://www.example.com/"},
    {"@type": "ListItem", "position": 2, "name": "サービス", "item": "https://www.example.com/services/"},
    {"@type": "ListItem", "position": 3, "name": "Web ホスティング"}
  ]
}

よくある間違いは、position の番号が飛んでいたり重複していたりすることです。最後の項目は現在のページなので item の URL を省略できますが、それ以外の階層には必ず完全な URL を記述してください。

Google の Rich Results Test で検証する

マークアップを書いただけでは、正しく機能しているとは限りません。公開前と公開後の両方で検証してください。Google の Rich Results Test(search.google.com/test/rich-results)を開き、URL またはコードそのものを貼り付けます。ツールは、検出したすべてのタイプと、エラーがあればその内容を一覧表示します。

1 点注意があります。このツールが報告するのは、Google のリッチリザルトの対象となるタイプだけです。schema.org のマークアップ全体が妥当かどうかを確認するには、公式の Schema.org バリデーター(validator.schema.org)にもかけてください。

最後に、本番サイトでページのソースを開き、JSON-LD が実際に出力されているかを確認します。エディターのプレビューでは問題なく表示されるのに、公開後に script タグが取り除かれてしまう Web サイトテンプレートは少なくありません。

よくある質問

JSON-LD は head の中に置く必要がありますか?

いいえ。head でも body でも読み取られますが、head にまとめておくと管理やデバッグが容易になります。

構造化データは検索順位を直接向上させますか?

いいえ、順位を直接上げるものではありません。役割は、検索エンジンや AI がコンテンツを正確に理解できるようにすることで、それによって正しく引用される可能性が高まります。

1 つのページに複数の種類の構造化データを設置できますか?

はい。1 つのページで複数のタイプを同時に宣言できます。たとえばサービスページに Service、FAQPage、BreadcrumbList をまとめて記述できます。

開発者に頼まず、自分で追加できますか?

はい。JSON-LD は単なるテキストなので、サンプルをコピーして値を自社の情報に置き換え、ページのテンプレートに貼り付けたうえで、検証ツールで確認すれば追加できます。

AEO Auditor というツール名の AEO は何を意味しますか?

Answer Engine Optimization(回答エンジン最適化)を意味し、AI 検索での可視性を高める取り組みを指します。税関の Authorized Economic Operator(認定事業者)制度や、同じティッカーシンボルで取引されているアパレル小売企業とは関係ありません。

まず診断し、それから改善に着手する

4 つのタイプはいずれも、書くこと自体は難しくありません。難しいのは、自社サイトに今どれが欠けているのかを把握することです。UDomain の無料ツール AEO Auditor(ai.ud.hk/aeo-auditor)はサイトをスキャンし、構造化データ、AI クローラーのアクセス可否など、AI 可視性に関する項目を確認して、優先的に埋めるべき不足点を一覧にします。その結果と本ガイドのサンプルを照らし合わせて対応していけば、次に AI が自社のコンテンツを引用するとき、意図したとおりの内容が伝わるようになります。

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